ヘルスケアDXを目指してオープンイノベーションを促進する基幹システムを開発しました

大手食品・健康食品企業も注目/郵送検査10年目の大学発ベンチャーが挑むヘルスケアDX

検査開発・測定・顧客データを自社で一括管理 企業とのオープンイノベーションを促進する基幹システムを開発

株式会社ヘルスケアシステムズ(以下当社)は、健康な方の検査データから生活習慣の改善ポイントや行動変容を解析し、一人ひとりに合ったヘルスケア情報を提供することを目指して、検査に関するすべてのデータを管理し活用するための基幹システムを開発しました。

当社は、食事や生活習慣による健康状態を『見える化』する生体マーカー(指標)の研究を行っており、一般の人が尿や唾液といった検体を送って測定結果を受け取ることができる郵送検査キットを開発してきました。一人ひとりに合ったヘルスケアを実現するために、自社開発にとどまらず、オープンイノベーションにより食品や健康食品、製薬といった企業、自治体と共同で新たな検査の開発を進め、多様な検査を提供してきました。短期間で多種多様な検査の開発を可能にしたのが、郵送検査サービスに係る開発・測定・顧客データを社内で一括管理できる基幹システム「OCTA(オクタ)」です。

「OCTA」を基盤とすることで、企業とのアライアンスによる検査の共同開発の期間短縮も実現することができ、2021年の共同開発数は13件に上りました。さらに、2022年6月時点で新たに5件の共同開発が進行中です。

年内に異なる検査のデータ連携を可能にするためにデータモデルの刷新を計画しており、一人ひとりに合わせた複合的なデータ分析に基づく生活習慣の改善ポイントや行動変容のパターンを確立していく予定です。将来的には、一人ひとりの身体や生活習慣に合ったヘルスケア情報を提供できるよう、業界の垣根を超えたオープンなヘルスケアプラットフォームの構築を目指します。

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開発の背景

2022年5月に経済産業省は、大学発ベンチャー実態等調査において大学発ベンチャーの数は過去最多の3,306社になったと発表しました*1。国は、大学発ベンチャーの研究技術を社会実装するため、大手企業とのオープンイノベーションを推奨しています。
当社は、名古屋大学発ベンチャーとして2009年に設立し、腸内環境や食塩摂取量といった食事や生活習慣による健康状態を『見える化』する生体マーカー(指標)の研究を行っており、一般の人が尿や唾液といった検体を送って測定結果を受け取ることができる郵送検査キットを開発してきました。

しかし、個々の健康課題やライフスタイルは多様であり、検査結果を受けた後の改善アドバイスを求められることが多くなってきました。私たちは、検査会社としてこれまでに52万件に及ぶ検査を実施してきましたが、今後は一人ひとりに合ったヘルスケアを提供するため、様々な検査データや普段の食事や生活習慣に関するデータを解析して検査後の改善ポイントや行動変容の提案を行えるよう、事業を進化させてきました。

一人ひとりに合ったヘルスケアの実現に向けて、私たちは多くの企業や自治体とのオープンイノベーションを進め、新たな検査の開発に取り組んできました。多種多様な検査の開発を進めるために当たりまず取り組んだことは、郵送検査サービスに係る開発・測定・顧客データを社内で一括管理できる基幹システム「OCTA(オクタ)」の開発でした。

*1 経済産業省「令和3年度産業技術調査(大学発ベンチャー実態等調査)報告書」 
https://www.meti.go.jp/policy/innovation_corp/start-ups/start-ups.html

オープンイノベーションを促進する基幹システム「OCTA(オクタ)」

当社は、2019年からシステム開発の内製化を推進してきました。過去の検査全てを再定義し、ERP(Enterprise Resource Planning)システムを基盤とした自社基幹システムの開発に取り組んできました。基幹システムは、ヨーロッパの大手オープンソースクリエイターの一つNexedi社が開発した「ERP5」を活用し、検査数値といった単純なデータだけではなく、開発・製造・測定・流通・サービスといった企業全体の活動すべてのデータをモデリングしています。モデリングにより概念データとしてデータ同士の関係性を設計することで、多様な検査を統合的に管理することを実現しました。

これにより新規検査キットの開発期間を大幅に短縮することだけでなく、今までの尿や便といった検体以外に、唾液、ろ紙にしみこませた血液、埃(ほこり)といった検体のバリエーションアップにも対応しております。加えて検査結果に関しても要件毎に表示を変更する等、検査及び検査結果のカスタマイズを可能にしました。

私たちは、この基幹システムを無限の広がりをイメージする「OCTA(オクタ)」と名付け、2021年より稼働を始め、大手製薬企業や食品メーカー、さらには健康食品の素材を取り扱う企業との検査キットの共同開発や、福利厚生プログラム等に採用され、13件に及ぶ新しい検査サービスを実現しました。
さらに、2022年6月時点で新たに5件の共同開発が進行中です。

ヘルスケアDXを目指して今後の展望

年内には異なる検査のデータ連携を可能にするためにデータモデルの刷新を予定しており、一人ひとりに合わせた複合的なデータ分析に基づく生活習慣の改善ポイントや行動変容のパターンを確立していく予定です。将来的には、一人ひとりの身体や習慣に合ったヘルスケア情報を提供できるよう、業界の垣根を超えたオープンなヘルスケアプラットフォームの構築を目指します。


本件に関するお問合せ
株式会社ヘルスケアシステムズ 広報担当 高実子(たかじつこ)
MAIL : pr@hc-sys.jp
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