エクオール
エクオールは、エストロゲン受容体β(ERβ)に対する選択的活性を示し、エストロゲン依存性疾患における潜在的な治療効果が期待されています。また、エクオール生産者(腸内細菌がエクオールを生成できる人)と非生産者の間で健康効果が異なることも報告されており、この違いが疾病リスクや治療効果にどのように影響するかについても議論されています。
さらに、エクオールは骨粗鬆症や閉経後症候群の予防、さらには腸内環境の改善にも関与している可能性があるとされています。本論文では、これらの効果を裏付ける研究結果を総合的に整理するとともに、エクオールの健康効果を理解する上での課題や今後の研究方向性についても触れています。
PubMed
エクオール産生者のイソフラボン群では、全股関節および大転子部の骨密度の年間変化率がそれぞれ-0.46%および-0.04%であったのに対し、非産生者では-2.28%および-2.61%と有意に低下しており、両群間で有意差が認められました(P<0.05)。また、脂肪量の年間変化率についても、イソフラボン群のエクオール産生者と非産生者の間で有意差が観察されました。一方、プラセボ群では、エクオール産生者と非産生者の間で骨密度および脂肪量の年間変化率に有意差は認められませんでした。これらの結果は、イソフラボンの骨量減少および脂肪蓄積抑制効果が、個人のエクオール産生能に依存する可能性を示唆しています。
PubMed