子育て支援充実へ、 検査キットの活用で保健師の肌ケア指導の意識向上・保護者の肌ケアの習慣化に向けた取り組み

  • 岐阜県関市
  • 花王株式会社


赤ちゃんの肌ケアに関するモニター調査を、花王株式会社様の協力のもと2023年4月~同年7月にかけて岐阜県関市にて実施しました。
本調査では、関市の保健師と市内在住で生後2カ月ごろの赤ちゃんの保護者を対象に行われ、「肌バリア」を調べる検査キットを活用することによる肌ケアやアレルギーに関する意識や行動の変化を調べました。その結果、検査キットを活用することで、保健師の肌ケア指導の意識向上、保護者に関しては肌ケアの習慣化の支援や肌ケアに関する不安の軽減につながる可能性があることがわかりました。

 

1.自治体における赤ちゃんの肌ケア支援の現状と課題について

乳幼児の肌は大人とは異なり、バリア機能が未発達なため、乾燥や刺激を受けやすく肌トラブルを起こしやすいことが知られています。そのため乳幼児の肌バリア機能低下の兆しを早くに見つけ、適切な保湿などの肌ケアを行い、「肌バリア」を良い状態に保つことが有用だと考えられています。
産院では沐浴指導の際、自治体では乳幼児健診の機会を活用し、保護者への啓発を行っています。しかし、限られた時間の中で様々な育児に関するサポートを行う必要があり、保護者へ肌ケアの必要性や重要性の理解を深める事が難しいことが課題です。
その中でも1ヶ月健診から4カ月健診時の間に肌トラブルが顕在化することが多いため、その時期の適切な肌ケア指導や肌トラブル相談のきっかけ作りを進めることが重要であると考えました。

 

2.モニター調査の内容

関市の保健師様と市内在住で生後2カ月ごろの赤ちゃんの保護者様を対象に行われ、「肌バリア」を調べる検査キットを活用することによる肌ケアやアレルギーに関する意識や行動意識の変化を調べました。

  • 対象者:市内在住で生後2カ月ごろの赤ちゃんの保護者様
  • 人数:48名
  • 期間:2023年4月~同年7月
  • 調査方法:「肌バリア」を調べる検査キットの提供。提供の前後にアンケートの実施
  • 調査機関:株式会社ヘルスケアシステムズ、花王株式会社

〔調査結果:赤ちゃんの保護者様〕

モニタ―調査後には、全員が肌ケアを日頃からできていると回答し、肌ケアの頻度(回数)においても毎日欠かさずにケア出来ているとの回答が9割に上昇し、全員が週5~6回以上ケアしているという結果が出ました。これにより、検査によって、お子様への毎日の肌ケアを習慣化にされる可能性が示されました


【図1】この2週間のお子様への肌ケア習慣


【図2】この2週間のお子様への肌ケア習慣の頻度(回数)

〔調査結果:保健師様〕

モニタ―調査後に、全員が今後赤ちゃん訪問時の肌ケア指導に、力を入れて取り組みたいと思うと答えていました。また、8割の方が、保護者様からの肌の悩みを受けるきっかけになったと回答しています。


【図3】今後の赤ちゃん訪問時の肌ケア指導に力を入れて取り組みたいか


【図4】保護者からの肌の悩みを受けるきっかけになったか

▼保健師の方からのコメント

『アレルギーマーチについて(乳幼児アトピーが入口となり、その他のアレルギー疾患につながってしまうこと)や正しい保湿ケアが、アレルギー発症リスク軽減につながることは、有益な情報ですし、正しい量の保湿剤(FTUなど)を塗布できている保護者は少ないように感じています。短時間の動画は視覚的に分かりやすく保湿剤の量、塗布の仕方を学ぶことが出来ると思います。検査の活用を通して保護者様からの肌悩み相談のきっかけにもなりました』

 

3.検査キットを活用した新しい子育て支援施策へ

 今回の検査キットを活用した肌ケア支援は、保護者は肌ケアの重要性や正しい方法を理解しやすくなり、保健師はより効果的な指導を行うことができる可能性を明らかにしました。

  • 保護者は、検査結果を参考にして、お子さまに合った肌ケアを実施することで肌ケア習慣化が進む
  • 保健師は、検査を紹介することで、保護者の肌トラブルや肌悩みの予防につながる肌ケア指導を行うきっかけになった。

 

検査キットを活用した肌ケア支援は、自治体の子育て支援施策の充実に貢献いたします。ご興味をお持ちの企業様はまずはお気軽にお問合せください。

 

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