生活習慣に関するバイオマーカーを研究するヘルスケアシステムズの研究員による、国内海外のバイオマーカーや生活習慣に関わる学術論文をまとめました。

8-OHdG

8-OHdG
8-OHdG(8-Hydroxydeoxyguanosine)は、DNA塩基の一つであるデオキシグアノシンが活性酸素種(Reactive Oxygen Species, ROS)による酸化修飾を受けて生成される酸化損傷マーカーです。酸化DNA損傷の指標として広く利用されており、細胞内の酸化ストレス状態やそれに関連する疾患リスクの評価において重要とされています。特に、8-OHdGの測定は、酸化ストレスが関与する疾患(がん、動脈硬化、神経変性疾患など)の病態解明、リスク評価、治療効果のモニタリングに寄与します。また、抗酸化物質の効果検証や、環境ストレス要因(喫煙、大気汚染、放射線など)がDNA損傷に与える影響評価にも応用されています。
論文タイトル:
Urinary 8-OHdG: a marker of oxidative stress to DNA and a risk factor for cancer, atherosclerosis and diabetics
筆頭著者と所属:
Lily L Wu et al., Taipei Medical University
雑誌名:
Clinical Chemistry and Laboratory Medicine
概要:
本研究では、尿中8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)が、DNAに対する酸化的ストレスのマーカーとしてどのように機能するか、またそれが癌、動脈硬化、糖尿病などのリスク因子である可能性について評価した。研究者たちは、尿中8-OHdGのレベルがこれらの疾患と強い関連性を示すことを発見した。特に、8-OHdGの高いレベルが、これらの疾患の発症リスクの指標となり得ることが示唆されており、8-OHdGは酸化的損傷の評価に有用なバイオマーカーであると結論付けている。
出典情報:
Wu LLら, Urinary 8-OHdG: a marker of oxidative stress to DNA and a risk factor for cancer, atherosclerosis and diabetics, Clin Chem Lab Med, 339(1-2), 1-9, DOI: 10.1016/j.cccn.2003.09.010. PubMed

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